KEEP A BREAST JAPAN

  • facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Donation
  • contact

(前編)羅患後、35歳で妊娠&出産そして片乳育児…激動の日々

HEALTH 2018.01.17
(前編)羅患後、35歳で妊娠&出産そして片乳育児…激動の日々

32歳で乳がんに羅患後、35歳で妊娠&出産した相川春香さん(仮名・37)にインタビューを行いました。前半では乳がんが発覚した当時の話から手術後までのお話を聞いています。

勝手に涙がこぼれた

「『ちょっとね、悪性の疑いがあるわ』って言われた時は、本当に寝耳に水って感じで。頭が真っ白になって、勝手に涙がこぼれましたね」
春香さんはそう言って懐かしそうな表情を浮かべた。アパレル会社の広報である彼女は華やか且つ知的な雰囲気の美女。白いニットワンピースにフェザーのピアスがよく似合い、とても一児の母には見えなかった。
春香さんは2013年の春、32歳の時に自身による胸のマッサージでしこりを発見。

近所の病院で調べると再検査の結果が出たため、インターネットで評判の良いクリニックを見つけ、改めて受診。マンモグラフィとエコーを両方やったところ、エコーのほうで乳がんが発覚した。冒頭の言葉は、その時の状況を説明してくれた時のものだ。
「まだ若かったし、乳がんに一般的になるっていう年齢ってもっと上じゃないですか。だから、なんかの間違いだろうなって、ずっと楽観的に構えてて。夫にもその時まで何も伝えてなかったくらいですから」

皮下乳腺全摘手術を選択

その後、クリニックから紹介された病院ですぐに細胞診断をしたところ、“ステージゼロの非浸潤がん(※)”であることが判明。手術での除去が可能ということがわかり、切除方法をどうするかという選択を迫られた。
「部分切除か全摘か、すごく悩んだんです。やっぱり初めは部分切除を希望してたんですけど、乳管は胸の中に広がっているので、部分切除にした場合、再発の可能性が高まるって。だから先生からは強く全摘を勧められて…」
特に胸に対して思い入れがあるわけでは無かった。

それでも「子どもを産んだ時に、ちょっとコンプレックスになるかも」という考えは頭をよぎったという春香さん。しかし命のことを一番に考え、全摘を決断。上の皮を残して中を取るという皮下乳腺全摘手術をし、同日に再建手術も行った。
しかし手術後、思いがけぬ問題が出てきてしまう。
「手術のあとに、もしかしたら乳頭にもがん細胞があるかもしれないってことが分かって。グレーだったんですけど、取るか取らないかという決断を迫られて。乳首ってけっこう見た目が変わってくるので悩みましたが、数年後に再発、というのが怖かったので取りました」

※乳管内にとどまっているがん。転移の可能性が低く、早期がんに分類される

自分の心身に向き合えるように

マッサージでしこりを発見してから手術に至るまで、4か月ほどだったという春香さん。乳頭切除後はがんがきれいに切除できたことが確認され、抗がん剤治療をしなくていいと診断された。ホルモン治療に関しては、病院で勧められたものの妊娠を希望していたためやらないことに。手術後5年経った現在では、半年に一回のペースで定期検診を受けている。
術後については「見た目の精神的ショックが大きかったです。あとは手術の影響で筋肉やわきの下の皮膚が縮んで、ちょっと動かすと肩が突っ張って痛むんです。だから、そのリハビリ運動をやってました。と語った春香さん。もともと何か問題にぶつかると、徹底的に調べるタイプゆえ、健康を維持するためにはどうしたらいいかと悩み、本をたくさん読んだとか。

「色んな本があるんです。乳がんにならないために特定の食品目をやめろとか、極端なものが。私は本を読みすぎたがために、何を信じていいのか分からなくなってしまって。やっぱり、何かにすがりたい気持ちになるというか…。『どうして、がんになってしまったんだろう』という疑問の、答が欲しくなっちゃうんですよね。答は一生出ないんだけど…。それがつらかったですね。仕事を一生懸命やって、不規則な生活をしてたのが悪かったのかな、とか。とにかく情報に振り回されるのに疲れました」

じっくり考えた末に、自分が心地良くいられることが大事なのだと気づいた春香さんは、生活を少しずつ立て直していったという。
「ヨガを習ったり、食事に気をつけたり。冷え性だったので、湯船にしっかり浸かるようにするとか。そうしてると、自分の心身の変化に向き合えるようになって。調子が悪い時や生理の時に、痛みの度合いとかで自分の身体がちょっとおかしいんじゃないかなとか、何かを変えてみようかなとか、発見できるようになったんです」


そうやって自分の身体と向き合う日々を重ねていた春香さんは、

手術から2年後の2015年の夏、妊娠という人生の転機を迎えることとなるーーー。

(後半に続く)

 

518 VIEW

RECOMMEND